それというのも、ダルビッシュが前半戦最終戦に登板が予定されており、オールスターまで中1日の間隔しかないからである。気持ちは分からなくもないが、普段の約2倍もの大金を払ってチケットを買ってくれる客のことをまるで考えていないと言わざるを得ない。
似たようなゴタゴタが2000年にもあった。このときはセリーグは中日・星野監督、パリーグはダイエー・王監督が指揮をしている。まず王監督は、中継ぎとしてフル回転していた自軍の篠原貴行を「疲れが溜まっている」という理由で監督推薦しなかったのである。これに対し西武・東尾監督を中心に批判が相次いだ。
さらに中日・星野監督は巨人・工藤公康を第3戦に先発させようとする。巨人の首脳陣は「第1戦の東京ドームで登板させてほしい」と要請したが、星野監督は頑として聞き入れなかった。実は後半戦初戦で巨人は工藤の先発が予定されており、オールスター第3戦で先発してしまうと中1日の間隔しか空かないので都合が悪かったのである。そしてその相手は中日であり、中日は工藤を大の苦手としていた。
不況の影響もあってオールスターのスポンサー探しに苦労していると言われているが、まずはオールスターが魅力あるものにならなくてはならない。怪我したくない、全力疾走しない、ヘラヘラ笑う、けん制球を投げない、オール直球勝負をする、あげくに上記のように公式戦に疲れを残したくない。これが今の日本のオールスターなのである。
国の威信をかけて戦ったWBCのように、オールスターもリーグの威信をかけて戦うということにはならないのだろうか? 和やかなムードのオールスターをやるなら、シーズン終了後にでもやればよい。そうすれば怪我をしないかとビクビクする必要もないし、登板間隔についてクレームが出ることもない。
真剣勝負をやるなら、メジャーのように日本シリーズの開幕権を争うようにするなど、何らかの対策が必要だろう。
日本ハム・梨田監督が、今年のパリーグの指揮をとる西武・渡辺監督に対し、ダルビッシュの登板を1イニング限定にしてほしいと頼み込んだそうである。しかも今年は地元の札幌ドームでオールスターが開催されるのに、である。ソフトバンク・秋山監督も杉内の起用法に関して同様の要望をしたらしい。