侍たちの精神力2009/3/28up

 2006年に引き続き、日本がWBC連覇を達成した。韓国も北京五輪に続く「連覇」を狙っていたわけだが、これを撃破。前回大会では韓国に1勝2敗だったが、今回は3勝2敗と勝ち越しており、今度こそ誰からも文句のつけようがない優勝である。

 何もかも手探り状態だった前回に比べ、今回は連覇がかかっているという点と、北京五輪で4位だった雪辱が期待されたという点で、重圧はかなり大きかったと推察できる。そんな中で、急遽監督に推された原辰徳監督、チームリーダー的存在のイチローには特に大きなプレッシャーがかかったのではないだろうか。

 しかし2人ともそれを公に見せることなく、原監督は勝っても負けても堂々としたコメントを出し、大不振に苦しんだはずのイチローも自虐的なコメントでリラックスした表情を見せていた。これを見ただけで、私は安心することができた。最後に笑うのは日本であるという確信があったので、韓国に2度負けても焦ることはなかった。

 試合中でもそうである。北京五輪では地に足が付いていないように見えたが、今回のWBCでは「ホームグラウンド」である東京ドームを離れた後も硬い表情に終始することはなく、試合そのものを楽しんでいた。原監督の失敗を恐れない攻撃的な采配も、良いムードを生んだのかもしれない。

 「(技術で負けてもいいから)気持ちで負けるな」と言うのは簡単だが、実践するのは並大抵のことではない。イチローは「心が折れかけていた」と認めているが、折れかけてはいてもポッキリと折れることはなく、心をつなぎとめていたものがあるはずだ。それは、プライドではないだろうか。私はひそかにそう考えている。