FA制度が誕生したのが1993年オフのことだが、上記のリンクを見ていただければお分かりの通り、2004年までは人的補償による移籍はわずか3人にとどまっている。ところが2005年から金銭よりも人的補償を重視する傾向が強まり、2007年オフは3人もの選手が移籍した。
もともと脚力には定評があり、西武に移籍してからは打力も向上した福地。韋駄天で守備範囲も広く強肩の赤松。そして貴重な中継ぎとして何年も続けて実績を残している岡本。この3名である。
特に西武と中日は、大きな痛手を被ったと言ってよさそうだ。どちらの球団も若手のプロテクトを重視したと明言している。誰をプロテクトしたのかは特定しようがないが、福地や岡本を外さねばならないほど優秀な若手がわんさかいるとは、個人的にはあまり思えない。特に岡本はもったいない。3年や4年も続けて50試合以上登板できるタフネスな投手は、そう多くいるものではないのだ。
日本のFA移籍がアメリカに比べてはるかに不活発な理由は、ここにも見えてくる。大金が必要な上に、貴重な選手を放出せねばならない可能性があるからだ。ゆえに、広島とヤクルトはいまだに1人もFAで選手を獲得していない。広島やヤクルトに行きたい選手がいたとしても、FA制度で移籍することは事実上不可能なのである。このことはまた後日、じっくり書くことにしよう。
昨年人的補償で巨人に移籍した吉武は、期待外れの成績に終わってしまっている。しかし、今年は福地・赤松・岡本とまたしても有望な選手が移籍した。そろそろ古巣を見返す働きをしてくれる選手が出てきてもよさそうな頃だ。
FA補償選手一覧、および野球協約第205条についてはこちら