ハンカチブームはどこまで続く2007/6/14up

 「ハンカチ王子」こと斎藤佑樹投手。早稲田実(東京)に所属していた頃の、2006年の選抜高校野球大会の2回戦では関西(岡山)と延長15回引き分け再試合の激闘を演じて勝っているが、高校野球ファンの間では話題になったものの、マスコミの取り上げ方は通常通りであった。が、夏の選手権大会で勝ち進み、4連投をものともせずに勝利して見事優勝。東京の高校でしかもOB・OGも多い早稲田大の系属校である早稲田実に所属、さらにその「イケメン」ぶりがマスコミに取り上げられてあっという間に人気に火がついた。

 その結果、夏の甲子園に比べて注目度の低い日米親善高校野球や国体もマスコミに大きく報道され、とりわけ国体では決勝の相手が駒大苫小牧(北海道)だったこともあり、徹夜組まで現れた。マスコミが意図したことではないとはいえ、人気低迷が囁かれる野球界が一躍注目を集めたことは間違いない。

 その後プロ入りせずに早稲田大に進学すると、キャンプにまでマスコミが殺到。風邪をひいただけでスポーツ紙で大きく取り扱われた。開幕後もブームは冷めることはなく、在京民放キー局が26年ぶりに東京六大学野球を中継している。6月2日、3日の慶応大との試合は、関東地区ではNHK教育テレビが9.9%、日本テレビが4.4%の視聴率を記録している。神宮球場ではそれぞれ34,000人、36,000人もの観衆を集めた。人気が低迷していると言われる東京六大学野球が注目されるのはたいへんありがたいことである。これだけの人気を集めたのは、江川卓(法政大)が在籍していたとき以来のことであろう。

 とはいえ、斎藤投手は芸能人ではないし、プロ野球選手でもない。大学野球はあくまでもアマチュア野球である。このブームが始まって以後、群馬県にある実家に押し寄せるファンが数多くいるというが、斎藤投手とその家族にとっては迷惑以外の何物でもないのではないだろうか。

 ハンカチブームに乗って視聴率やスポーツ紙の売り上げがアップ。さらに女性週刊誌の売り上げが伸びたとか、果てはハンカチを製造するメーカーの株価が上がったという話まで耳にする。そういう意味で、斎藤投手は金儲けの手段として使われている感じさえする。

 あまりにもブームが加熱しすぎると、その反動が心配になる。今年の春季リーグでは斎藤投手は4勝を挙げる大活躍をしているが、今後も活躍が続くとは限らないし、ましてプロ入りするとも限らない。注目の的となる選手だけに、負けたときも必要以上に大きく取り上げられる。スター選手の宿命と言ってしまえばそれまでだが、はたして斎藤投手はそれに耐えられるか。私は今から心配だ。

 言っても無駄だとは思うが、マスコミには節度を守った報道を求めたい。