ポスティング制度2007/4/2up

 2006年オフには、松坂大輔(西武)、井川慶(阪神)、岩村明憲(ヤクルト)の3人がポスティングによりメジャーに移籍した。いずれもFAではなく、ポスティング制度を使ってのものである。

 FAで日本の他球団に選手が移籍する場合、所属球団は金銭または金銭と選手の両方を見返りに得ることができるが、メジャーに移籍した場合は何も得ることができない。そこで、FA権を取得する1〜2年前にポスティングでの移籍を許可することが慣例になりつつある。たった1〜2年早く選手を放出するだけで、数十億円もの収入を得ることができるからだ。

 松坂・井川・岩村がいなくなったくらいでは、私はプロ野球がつまらなくなるとは思わない。だが、ポスティングで選手を放出することによる収入をあてにするという図式が鮮明になってしまったことには、たいへんな危機感を覚える。

 例えば、松坂の落札額は5,111万ドルと言われる。とすると西武の収入は、約60億円と推測することができる。西武球団の赤字は毎年約20億円と言われているから、これで3年分の赤字を解消できたことになる。一応表面上は、収支的に潤ったことになるから、抜本的な収支改善の努力を怠ってしまう危険性がないとは言い切れない。ヘタすれば、また3年後にスター選手をメジャーに放出すればよい、と考えている可能性すらあるのだ。

 結局ポスティング制度は、メジャーに人材を供出するだけの制度なのである。なぜかといえば、日本や韓国などの球団は入札することすら許されていないし、メジャーの選手がポスティングにかけられて日本の球団に入団することもない。一方通行な制度なのである。おまけに、オークションと一緒で、金だけが物を言う世界。選手や球団側が移籍先を選ぶことは一切できない。

 そもそもポスティング制度が設けられたのは、現状の制度では日本の球団にFA移籍した場合は金銭や選手の見返りがあるのに対し、メジャーにFA移籍した場合は何の見返りもないからである。それならば、早急に話し合って、何らかの見返りを制定してはどうだろうか。金銭だけでなく、選手による補償もあっていいかもしれない。

 入団して4〜5年しかたたない選手がポスティングによる移籍を要求したり、ポスティングを断固として認めなかった球団が、FA権を取得する1年前になると急に移籍を認めたり。中には「3〜4年続けて2ケタ勝利したらポスティングで移籍したい」などと放言する選手もいた。こんな光景を毎年のように見せられたのではたまったものではない。

 FA権取得までの年数を短縮するのはいいだろう。また、現在は「一軍登録日数」がFA権取得の対象となっているが、「在籍年数」を対象とするのも良い。だが、それ以外の移籍は一切認めるべきではないだろう。旬のうちにメジャーでプレーしたければ、日本のドラフトを経由せずに渡米すればいいだけの話だ。