(注意:ゲーム差などのデータは、いずれも2006年8月23日の試合終了時点のものである)
プレーオフが導入されたのは、下位球団にも夢を与えて、消化試合を減らすためである。そうすれば、首位のチームが独走してしまった場合には、3位争いという新たな楽しみが生まれることになる。ところが、首位争いが白熱した場合はどうだろうか?
今年(2006年)のセリーグは、中日の独走態勢である。プレーオフがあったら盛り上がるかもしれない。しかしパリーグは、首位西武と2位ソフトバンクの差がわずかに2ゲーム。2位と3位日本ハムの差も2.5ゲーム差と射程圏内だが、3位と4位ロッテの差は7ゲームとやや開いている。シーズン1位のチームが2年続けてプレーオフで敗れているせいもあり、首位争い(優勝争いと呼べないのが寂しい)の盛り上がりぶりが3割引くらいに感じられる。3位争いのほうも差が開いているのであまり盛り上がっていない。
もしプレーオフがなければ、西武とソフトバンクの激しい「優勝争い」に3位日本ハムもピタリとくっつき、4位ロッテも侮れない…。こんなペナントレースが見られたはずなのに。プレーオフなどなくても、3チーム前後が優勝争いに絡めばペナントレースは盛り上がる。プレーオフがあっても、3位と4位の差が開くとちっとも面白くない、という事実がいよいよ鮮明になってきたのかもしれない。
今年からシーズン1位の球団には、無条件でプレーオフ第2ステージにおいて1勝のアドバンテージが与えられるようになった。だが、第1ステージを勝ち上がってきたチームの勢いを軽視できないというのは、昨年と一昨年を思い出せばお分かりいただけよう。1勝のアドバンテージなど、軽く一蹴してしまうケースも多く出現するだろう。
そんなプレーオフを来季からセリーグも導入するという。「失敗しても、改革するという姿勢が大切」との理由によるものだ。長く保守的と非難されてきた一昔前を考えれば、その姿勢そのものは認めなくてはならない。また、パリーグ単独のプレーオフよりも、セパ合同ポストシーズンのほうが面白いだろう。ただ、改革するならもっと他の場所に手をつけてほしい…というのが率直な本音だ。
前回は、どうしてもプレーオフをやるなら12球団を3リーグに再編したらどうか、と提言したが、他に方法がないわけではない。それはペナントレースの試合数を大幅に減らすのである。そもそもプレーオフが批判されるのは「ペナントレースを長くやっているのに、たった数試合のポストシーズンで優勝が決まるなんて」という理由である。それならば、その「長くやっている」試合数を減らせば、相対的にポストシーズンの価値が上がるだろう、という論理である。来季は交流戦を含めて144試合になる案が有力だそうだが、約3分の2である100試合前後でどうか。
その代わりに国際試合を増やしたり、あるいはトーナメント制のカップ戦を導入したりするのである。きっと面白いと思うのだが、これも経営者側の都合で実現する可能性は低い。それどころかむしろ、来年は144試合+ポストシーズンになるということで試合数は増えている。巨人戦や阪神戦が減れば減るほど、収入も減ってしまうからだ。
今のところは、プレーオフ反対派も我慢するしかない。今年のセリーグのような展開なら、プレーオフにも面白みがある(中日ファンは面白くないだろうが)。だが、いずれ真の首位攻防戦の味が懐かしく感じられるのではないか。私は密かにそう思っている。ファンがどういう反応を示すか、まずは来年のプレーオフを黙って見守るしかない。
