飼い殺しを許すな!2004/4/9up

 FAや自由獲得枠制度により、選手層の厚さが球団ごとにだいぶ異なるようになってから久しい。そして悲しいことに、選手層の厚い球団では必要以上の戦力をかき集め、選手の飼い殺しが平然と行われるようになっている。2004年の開幕戦では、巨人はペタジーニ・江藤がベンチにおり、阪神は濱中・藤本・片岡がベンチにいた。いずれもスタメンで出るのが当然の実力を持った選手である。

 まずは巨人のほうから検討していく。野球を知らないナベツネの限度を知らない金満補強により、巨人にはホームランバッターがたくさん集まった。その結果、一塁にはペタジーニと清原がおり、三塁には小久保と江藤が存在することになってしまった。もちろん両方使うことはできないから、片方がケガでもしない限りはベンチを温めるしかない。落合監督が「小久保を獲れば江藤が死ぬ」と言っているのは、まったくもって正解である。堀内監督は苦し紛れに、相手投手が右の時はペタジーニ、左の時は清原を使っている。しかし、これは両方が死ぬ起用法であると言えるのではないだろうか。

 阪神も阪神で、濱中・藤本・片岡がベンチにいる。濱中はまだ故障が治りきっていないのかもしれないが、もし完治したらいったい誰をベンチに下げるのだろうか? また、昨年3割を打ちオープン戦でも打ちまくった藤本が控えに甘んじているし、星野が「男気」で連れてきた片岡も完全に代打要員。片岡でさえベンチなのだから、関本などの選手に当然出番はない。また、日本ハムでは正捕手だった野口までベンチ要員。巨人にも負けない贅沢極まりない布陣である。

 これを是正するには、やはりまずは自由獲得枠という悪制度を取り止めるのが一番だが、こればかりはナベツネが引退しない限りは無理。FA制度の見直しも有効だが、やはりナベツネの目が黒いうちは無理であるというのが悲しい現実である。

 そこで、Jリーグではすでに当たり前のように用いられているレンタル移籍制度をプロ野球でも導入してはどうだろうか。いくら控え選手とは言っても、完全に保有権を放棄するのは惜しいものだが、レンタル移籍なら一時的に貸し出すだけで済む。また、球団側も見返りにレンタル料をいただくことができる。誰も損をしない制度なのだ。

 例えばこういうことが考えられる。巨人が江藤を近鉄に3ヶ月(半年)貸し出す。近鉄は吉岡が今季絶望の故障をしているため、江藤が来ると非常にありがたい。三塁には中村がいるが、一塁か指名打者で使える。巨人はレンタル料ウン千万円を得ることができ、代わりに若手選手がベンチに入ることができる。その後の交渉次第で契約を延長することもできるが、もし小久保がケガでもしたら契約を延長せずに巨人に呼び戻せばいい・・・

 これなら別にナベツネにとっても損はないし、飼い殺しの憂き目にあっている選手を救うこともできる。もちろん巨人・阪神以外にも飼い殺しに近い扱いを受けている選手はいるので、そういった選手にとっては干天の慈雨のような制度になることが期待される。あとは誰がこの制度の導入を訴えるかだが…コミッショナーには期待できないか…。