昨年は激動の年だった、と言うことができる。色々なことがあったが、振り返ってみると近鉄の消滅という大きな犠牲はあったが、交流試合の導入・楽天の新規参入・「プロ野球構造改革協議会」の設立、さらには観客数の実数発表やファンサービス重視など、何とか良い方向に持っていくことができた。これで一息ついた感があるが、改革はまだ終わっていない。むしろ、今年は昨年以上に重要になるかもしれない。
なぜなら、まだパリーグに赤字が多く残っているからである。2003年度における各球団の収支の推定は、巨人が30億円の黒字、阪神が13億円の黒字、中日が数億円の黒字、広島が数千万円の黒字であるほかは赤字。ヤクルト・横浜・ダイエーは数億円、日本ハムは十数億円、オリックスは30億円前後、ロッテは35億円前後、近鉄は40億円近くの赤字と推定されている(西武は不明だが、赤字なのは間違いない)。
交流戦によって、単純計算すれば各球団に3億円の巨人戦の放映料が入る。これに入場料収入もプラスされるから(珍しいカードということで、普段のパリーグの試合よりは観客は増えると思われる)、だいたい7〜8億円の増収になるだろうか。だが、それではダイエー(現ソフトバンク)の赤字が解消される以外は、パリーグ球団は赤字額が少し減るだけなのである。
放置すれば、第2の近鉄が現れかねない。私は家族全員の名前を使って合併反対の署名をしたが、食い止めることはできなかった。私は近鉄ファンではないのに寂しかったが、ファンならなおさら胸がつぶれる思いがしたに違いない。そうしたことを繰り返さないためには、パリーグが毎年親会社からの出資で赤字分を賄っているという悪しき慣例を打破、すなわちパリーグの赤字を解消することである。
ただし先に断っておくが、西武に関しては本拠地選定の時点で間違っていると思うので、今の赤字は自業自得な面が大いにあると思っている。ロッテももしかしたら仙台から川崎への移転(現在は千葉)が間違いだったかもしれない。しかし、ダイエーや日本ハムのように適切な企業努力をしている球団が赤字ではいけないと思う(ソフトバンクは選手に金をかけすぎなので、赤字でも仕方ないと思いますが…)。
現実問題として、パリーグの試合を地上波で放送するのはなかなか難しい。最も人気のあるダイエーの試合でも、全国的には2ケタの視聴率はとれない。テレビ局は慈善事業ではないので、ゴールデンタイムの放送は日本シリーズとプレーオフ以外無理。それで現状では、休日のデーゲームの放送が行われているのみである。そこで、巨人戦1試合をパリーグの数試合と抱き合わせにして販売するという案もあるそうだが、それも結局巨人頼みの一策に過ぎない。しかも、そんなことをして買い取ってくれるテレビ局が今のところあるとは思えないのである…。
こうして考えると、球場にファンを呼ぶ努力をすることが第一であるという当たり前の結論に達する。ファンが増えれば、現状では難しい、パリーグのゴールデンタイムの中継も可能になるかもしれない。例えば東京ドームでは新内野席を増設して、選手とファンの距離を縮めることにした。これも妙案である。他にも選手たちは契約更改の席でさまざまなファンサービスの案を口にしている。他に私が思うには、観戦に金がかかりすぎることがファンを遠ざけていることも考えられるのではないだろうか。例えば遠方から来たファンには当日券を2割引で販売するとか、そういうちょっとしたことがファンに喜ばれるのではないだろうか?
むろん、球団の経費自体を削減する方法も模索するべきである。以前書いた(と思う)ことを繰り返すが、ドラフト改革は絶対に必要である。自由獲得枠を廃止するだけで直接的にも間接的にも、パリーグ球団はだいぶ救われるはずだ。また、上がるときは青天井で下がるときに制限のあるおかしな年俸査定も改善すべき。具体的に言えば、年俸1億円以上の選手は50%までカットできてもいいと思う。それに、インセンティブ(出来高)の部分をもっと発展させて、働いた分だけ給料を受け取れるシステムにしてほしい。ソフトバンクが、ノルマを達成できない場合は減俸するという「マイナス・インセンティブ」導入を検討しているが、これも一案。もちろん、あまりやりすぎると選手がチームの勝利より個人記録に走る恐れがあるので、出場試合数を主な項目にすればいい。なぜなら、結局チームに必要とされている選手が出場するからである。
その他、大リーグのような「ぜいたく税」導入も検討の価値がある。その時の物価の変動などさまざまな値をもとに金額を設定し、年俸総額がその金額以上になったら超過分をNPBが徴収し、それ以外の球団に分配するのである(年俸総額の少ない球団に多く配分してもよい)。これは年俸抑制にもつながるし、戦力均衡にもつながる。
―――と色々書いたが、思いつきで書いたので現実的には実行不可能な案や、バッドアイディアも含まれているかもしれない。しかし確実にいえることは、常に「改革する」という姿勢を保つことが重要だ、ということである。
