さすがに「ナベツネのほうがまだマシじゃないか」と言ったら書き過ぎになるだろう。しかし、自分の意見をしっかり述べることのできない経営者というのは、見ていて情けない気持ちになってくる。意見を言うことができないのか、意見を持っていないのか、どちらなのかは分からないが…。
ナベツネは1リーグ制にしたいということを明確にしており、オリックス・近鉄やその他のパリーグ球団もこれに同調している。こちらは首尾一貫しており、1リーグ制の良し悪しは別にして筋は通っている。しかし、他の球団はどうなのだろう。たった1ヶ月の間に言っていることがコロコロ変わっている球団が多すぎると思う。
例えば阪神の久万オーナー。当初は「今の野球ファンの数と球団数のバランスを考えたら、8球団が理想。そこで採算が取れると思うし、ある意味仲良く、競り合いながら盛り上げていける」と言っており、1リーグ8球団を繰り返し強調していた。ところが星野が久万と会談するや否や、考えがコロッと変わって「1リーグ制はオーナー会議でもきちんと話したわけではない。一人ひとりに聞かれたら、反対だと私は言う。だいたい、今回の動きは早急すぎる」と言う始末。深い考えなしに1リーグ制移行を考えていたという何よりの証拠であろう。
中日と横浜に至っては、2度も180度転換をしている。当初は「巨人戦が減るのは困る」ということで1リーグ制に難色を示していたが、ナベツネが例のごとく「ケツの穴の狭い人たちと、いつまで話したってきりがないね」と脅しをかけると、「バスに乗り遅れるな」とばかりに両球団とも1リーグ制賛成に回る。しかし阪神が反対に回ると、今度はヤクルト・広島を抱き込んで1リーグ反対を熱心に主張し始めた。何をやりたいのか、私にはさっぱり分からない。
これはごく最近の例を挙げたわけだが、こういうことが毎年何回も繰り返されている。ナベツネの顔色を伺わないと何も言えない人、他球団の動きを見てからでないと発言しない消極的な人、1年後は見えても10年後のプロ野球が見えない人。今の日本プロ野球の経営者はこういう人たちで構成されている。だからファンの声は届かないし、改善しろという問題に手をつけようともしない。それどころか、多くのファンが望んでいない1リーグ制に走ろうとしている。
プロ野球をより良いものにするために必要なものは、議論をすることである。当然、ナベツネの脅しで全てが決まるようではいけないし、他のオーナーもこれに屈してだんまりをきめこむようではいけない。今回の合併の件についても、明らかに議論不十分である。議論が尽くされないまま強行採決した法案が国民から支持されるはずがない。まさに現在の腐敗しきった政治とかぶって見える。繰り返すが、もっとみんなで議論をしてほしい。
