1リーグ制はダメ!2004/7/08up

 まず冒頭に、合併話が持ち上がった大事な時期に更新を停止することになってしまったことを、ここに深くお詫びいたします。PCがないので何も訴える術がなく、無念の気持ちでいっぱいでした。本来なら合併について書くべきなのだが、これまでに話がずいぶんと進んでしまっているので、ここではナベツネが先頭に立って主張している1リーグ制のダメ出しを行います。

 1リーグ制になれば注目の対決が増える。今まで見られなかった対決が見られて面白い。数少ない有望な選手を12球団で分け合うより、8〜10球団で分配したほうがプロ野球のレベルが上がる。そうなれば視聴率も上がって観客も増えて経営者はウッハウハ(死語?)だ。これがナベツネ、久万、宮内、堤らが1リーグ制を主張する理由なのだろう。だが、これは2〜3年先くらいしか見えていない証拠である。将棋で言えば「1手の読み」による敗着であると言えよう。老い先短いご老人たちはそれでもいいかもしれないが、我々若いプロ野球ファンは、50年後も100年後もプロ野球が国民に愛されるスポーツであることを心から願っている。そう考えると、1リーグ制はまったくお話にならない構想であるとしか思えない。

1.カードあたりの試合数が減る
 仮に10チームによる1リーグで、巨人が1位で阪神が2位だとしよう(仮の話です、怒らないでください)。それで7月上旬に首位攻防の3連戦があったとしよう。では次の首位攻防戦は…と日程表を見ると、ずいぶん先になっているはずである。6チームで140試合を行えば1カード28試合になるが、10チームで140試合を行えば1カード16〜17試合になってしまうのだ。単純に考えれば、1つのカードは1ヶ月に1回しかないことになる。当然首位攻防戦の数も減る。首位攻防戦の数が減るということは、優勝争いから脱落した球団の試合数が増えるということである。例えば優勝を争っているのが巨人と阪神だけになってしまったとすると、他の8球団は消化試合も同然になってしまう。はたしてこれでプロ野球が盛り上がるのだろうか?

2.日本シリーズ・オールスターがなくなる
 1リーグ制にすると、日本シリーズがなくなる。どうしてもやりたければ前後期制にするしかないが、これは1973〜1982年にパリーグで導入して成功とは言えぬまま終了している。しかも、前期も後期も優勝チームが同じなら、日本シリーズは当然行われない。不完全燃焼のままシーズンが終了してしまう。ちなみに、その10年間で前後期とも阪急が優勝したのが2回あった。日本の優勝チームがアジア各国の優勝チームと戦うという案もあるが、それも日本シリーズがなくなるという事実に変わりはない。その案については別に議論すべきであろう。
 オールスターについては東西で行うという案もある。だが、ちょうどよく東西に分かれるとは限らないのではないだろうか。例えば北海道に1球団、関東に5球団、中部に1球団、関西に2球団、九州に1球団と分かれた場合は、東西に分けようがない。無理やり関東の1球団を西側に入れるしかなくなるが、それは無茶苦茶だろう…。

3.選手数が減る
 8球団もしくは10球団で1リーグに再編した場合、当然多くの選手が余る。それだけではなく、今後の選手を受け入れる余地も小さくなるということである。「少数精鋭」と言えば聞こえはいいが、これは今後野球の競技人口を増やそうと思うなら、明らかに得策とは言えない。まして社会人野球の廃部が相次いでいる現状を考えれば、むしろプロ野球のほうが選手を受け入れる余地を作ってあげるべきだと思う。例えば日本のドラフトに漏れた選手がアメリカに行ってしまうようなことも考えられ、日本野球の衰退は目に見えている。それから選手数が減れば、今後日本代表チームを編成する場合に満足なチームが作れなくなる恐れもある。絶対に選手数は減らすべきではない。

4.ファン層縮小の恐れ
 Jリーグはもうすぐ全都道府県に球団ができるらしい。もちろんその中にはJ2やJFLのチームも含まれてはいるが、県民たちはたとえJFLだろうと「おらが町」のチームを応援し続けるだろう。たとえサッカーに興味のない人でも、自分の県のチームの勝利を願い、いずれスタンドに応援に駆けつけてくれるようになるかもしれない。
 では日本プロ野球はどうかというと、二軍も基本的には一軍と同じ地域に本拠があるから、球団を持たない都道府県のほうが圧倒的に多い。いや、都道府県はおろか、地域別に見ても東北・信越・北陸・四国には球団が1つもないのである。もしこういう地域に球団ができれば、日本プロ野球のファンの層も大いに拡大できると思う。だが、現実には球団の数を減らすという議論がされている。1リーグ制になったのでは、球団のない地域がもっと増えてしまうかもしれない。

5.そもそもしっかり議論されていない
 1リーグになってどういう利点があるのかということを、ファンにも選手にも何ら説明されていない。これは大問題である。しかも、議論もしっかりなされたとは言えない。たった3〜4回集まっただけでこのような大問題を決められるのだろうか? ナベツネは「2ヶ月話し合えば十分」とまたバ○なことを言ってるけれど…。
 それだからファンの間で反対活動が起こるし、選手会もストライキも辞さずという姿勢になる。経営側と選手会が平行線のまま1リーグ制を強行したら、とんでもないことになる。とてもではないが、ファンの支持を得られるはずがない。それは大リーグのストライキを思い出してもらえればお分かりいただけると思う。

 この騒動で、ナベツネを始めとするオーナーたちは何一つまともな発言をしていないのだが、広島の松田オーナーだけはいいことを言った。

「経営者サイドで物を見すぎていると危険。(1リーグ制への流れが)あまりにも早すぎるんじゃないかという気持ちはある」

 しかし悲しいかな、松田オーナーには残念ながら事態を変えるほどの影響力がない。1リーグ制への移行は、松田オーナーがおっしゃる通り、経営者のエゴである。そうでないというのなら、誰でもいいからファンと選手に納得のいく説明をするべし。今のところ、西武の堤オーナーが代替案(社会人を合わせて三軍を30チーム作り、選手数の減少を防ぐ)を示しただけであるが、これとて不十分だと思う。