協約違反だけれども2004/2/17up

 「身売り」や「戦力補強」といったニュースになると、とたんに口数が多くなるナベツネ。先日、近鉄が命名権を売却するという話が持ち上がったが、やはりナベツネは口を出した。

 「もし近鉄が名称、呼称を売却するなら野球協約に対する明白な違反。必要ならオーナー会議を召集し、阻止する」

 コミッショナーの判断を待つ前になぜナベツネが口を出すのか、という疑問はある。しかし、言っていること自体は間違ってはいない。近鉄のやろうとしていたことは明確な協約違反である。協約によれば、球団が身売りした場合、新スポンサーは30億円の加盟料を機構に支払う義務が生じる。近鉄は「名前だけの売却」としているが、球団の名称が変わるのだから身売りと同じである。

 しかし、だ。結局近鉄はこの件を撤回したが、それで解決する問題だろうか。ナベツネはそれでもいいかもしれないが、近鉄には年間30億円以上という巨額の赤字だけが残ることになる。パリーグは近鉄だけでなく、ほとんどの球団が赤字であるから、近いうちに同じようなことが起きないとも限らない。

 たしかに、近鉄にはまだまだ打つべき手はあると思う。こちらに書いたとおり、近鉄は遠征をまるっきり行っていない。おそらく親会社の近鉄が関西方面にしかないからなのだろうが、そうやってプロ野球を親会社の宣伝媒体としか考えていないから経営が行き詰まる。どうせ大阪は阪神ファンのほうが多いのだから、もっと地方に積極的に遠征すべきなのだ。

 というわけで近鉄にもまだまだ努力すべき面はたくさんあるが、おそらく赤字は解消されないだろう。というのも、現在の日本プロ野球はスター選手がどんどんセリーグに流れるようにできているからだ。1人のスター選手がいなくなるのは大打撃である。例えば、オリックスのイチローは2000年オフにマリナーズに移籍したが、2000年と比べて2001年の本拠地の観客動員数(遠征も含む)は15万人も減った。つまり、1試合あたり約2,143人も減った計算になる。ローズが移籍した近鉄や、松井が移籍した西武も同じ運命を辿るかもしれない。

 たしかに近鉄のやろうとしたことは協約違反だ。だが、「協約違反だからやめろ」で済む問題ではないように思う。例えばパリーグにもスター選手が入団するように、自由獲得枠を廃止するとか。それだけでもパリーグ球団にとって見れば干天の慈雨なのではないだろうか。ナベツネにはこういった観点からプロ野球を眺めてほしいのだが。無理な願いだろうか?

    


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